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この秋、販売予定の緊急同報安否確認システム「クリティカルメッセンジャー」は、平常時における活用提案と低価格を訴求。「緊急時にしか使えない」という災害対策システムに対する企業の意識を変え、投資意欲を高めることで拡販を狙っている。システムの概要を販売元のイーステムコミュニケーションズに訊いた。 |
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9月27日、国の中央防災会議はマスタープラン(大綱)を発表、首都直下型地震が発生した場合の経済損失は直接被害・間接被害を合わせて112兆円と試算された。企業では防災はもちろんだが損失を最小限に抑えるよう、減災を認識した備えと対策を講じなくてはいけない必要がでてきた。
災害が発生した時、企業が真っ先に実行しなければならないのは、社員の安否確認と、被害状況を把握して安全を確保することだ。
次に必要になるのは、業務への影響を把握し、対策に必要な情報を迅速に収集することだ。何名くらいの社員が事業所に集合できるか、平常時に比べどの程度まで業務を遂行できるか、被害を受けた事業所の仕事を他の事業所に振り替えできるかなど。災害の程度や日時に左右されるこれらの情報を集め、早急に判断を下さなければならない。
ところが、緊急時には固定電話も携帯電話も発信規制がかけられ、ネットワークの状況も悪くなる。連絡をとりたくてもとれなくなるといった事態が懸念される。
そこで災害時の緊急連絡には、様々なケースを想定した通信システムを用意しておく必要がある。例えば電話の発信規制も、回線の接続をしていないわけではなく、発信数を規制しているに過ぎないため、繰り返しダイヤルすれば必ずつながるはず。自動ダイヤル機能を使えば、この問題は容易に解決できる。
また緊急連絡は、片方向の通知で終るものではない。安否確認や状況報告には返信が必須になる。例えば、通常のメール同報システム等を使って一斉配信できても、安否確認の際に返信メールを1件ずつ読んで確認していたのでは時間がかかる。メールにURLを記入し、ブラウザーから簡単に状況を入力できる仕組みを入れれば、確認作業を大幅に効率化できる。こうした工夫が災害用通信システムには必要になるはずだ。
イーステムコミュニケーションズの緊急同報安否確認システム「クリティカルメッセンジャー」は、より高度なこれらの機能を完備している点で、新しい災害対策用システムだと言える。 |
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緊急時に従業員や関連会社のスタッフに電話やメールで情報を一斉同報するシステムやサービスは、すでに他社が製品化している。イーステムコミュニケーションズはその市場にあえて参入したわけだ。その理由を代表取締役社長の伊藤壽朗氏は、次のように説明している。 |
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イーステムコミュニケーションズ
取締役社長
伊藤壽朗氏 |
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「緊急時の同報配信システムは、災害対策用ですから有事の際にしか稼働しません。もちろん、災害は起きないに越したことはありません。しかし投資対効果を考えると、極めて稼働率が悪いどころか、使うかどうかさえ判らないシステムを導入することには、誰でも躊躇するでしょう。資金に余裕のある企業や、新聞社や公共機関のように、緊急時に必ず社員が対応する企業しか導入しません。そこで、平常業務のなかで使える同報および配信先の情況把握システムを作れば、広範な一般民間企業にも採用されるはずだと考えました」くわえて、企業が日頃からこのシステムを利用し慣れる事によって、防災意識が高まり、結果的に被害を最小にする減災に繋がる効果があると考えてシステムを開発をした。 |
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他にも同社は、テレビ放送局向けにCTIを活用した募金システムを開発した実績がある。これを使った災害救済募金活動に触れ、緊急時の迅速な情報集約と指示が、企業にとって極めて重要であることに気付いたという。このことも開発の動機としては大きいようだ。すでに「クリティカルメッセンジャー」の第1号システムをテレビ放送局に収めている。
では、平常時の活用と緊急時の活用では、何が違うのだろうか。クリティカルメッセンジャーのいくつかの機能は、その違いを形にしたものだという。
代表例は「重複起動操作対応」と呼ばれる機能。どのようなロケーションにいても、電話のプッシュボタン操作やWebブラウザーから、メールの同報配信を起動できる仕組みだ。
従来の緊急連絡システムでは、一般にシステム管理者がメール等の配信用テーブルを作成・一元管理している。システムの起動についても、セキュリテイを重視して厳格に制限されているケースが多い。つまり、多数の人が活用権限を持って運用するという発想はほとんどない。
だがこれでは、外勤の中心の営業チームやフィールドサービス部隊のリーダーが、仮に自分のグループに同報メールを送りたいと思っても、権限すら与えられていないことになる。
配信テーブルへのアドレス登録も違ってくる。クリティカルメッセンジャーは、端末を持つ個々人が自分で入力できる機能を備えているが、管理機能重視の旧来型システムには、多くの場合この機能がない。配信テーブルの管理は管理者が行うものであって、分散入力すること自体が問題視されるからだ。
伊藤社長は「このシステムの平常時の活用シーンを一口で言えば"オンデマンド"です」と説明。人材派遣会社が短期アルバイト要員を探したいときに、登録者に携帯メールを一斉同報するといった場面を例示している。つまり、何らかの需要が発生した時、迅速な対応が求められるシーンを想定しているのだ。
こうしたデマンドを満たすには、セキュリテイ管理の重要性と並んで、柔軟かつ迅速なリアクションを起こすための機能が通信システムに求められる。現在クリティカルメッセンジャーは、主に緊急用システムとして訴求しているが、通常の情報配信システムとして活用できる柔軟性をもっているという点を伊藤社長は強調している。 |
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緊急連絡には固定電話・携帯電話・PCメールなどの手段が考えられるが、中でも携帯電話は個人が常に身につけている情報端末であるため、緊急連絡には最適だ。
だが、実際の利用情況はかなり違ってくる。イーステムコミュニケーションズの独自調査によると、企業のおよそ30%の従業員は、音声通話にしか携帯電話を使っていないという結果が出ている。そのため、緊急メールを送っても連絡できない可能性があり、電話による連絡システムは不可欠だ。安否などの情況を正確に把握したければ、電話とメールを相互に補完して運用する必要がある。
そのため同社では、CTI、Web、CTI+Webという3タイプの製品をラインアップして、各企業のニースに応えようとしている。
他にも、クリティカルメッセンジャーは災害時に役立つ多彩な機能を実装している。@情況にあわせて社員を呼び出す機能、A地域や事業部や社員個々の呼び出しやすい端末を自在に設定できる機能、BPC・携帯電話・固定電話から情況をリアルタイムに把握する機能、C気象協会の地震情報「MICOS」に基づき、所在地の震度に応じて事業所を自動的に呼び出す機能などだ。
イーステムコミュニケーションズでは、電話会議システムやテレビ局対応募金システム等、長年培ってきたCTI技術を生かしその企業にあったカスタマイズにも積極的に応じる構えだ
今後の展開については、近々代理店募集を開始し、販売を強化していく方針。「"緊急同報安否確認"という枠を超えた新たな企業通信システムとして、ユーザーの活用を促進していきたい」と伊藤社長は語る。この目標に向けた今後の事業の成長が注目される。 |
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